PHILOSOPHY ロンコ・ジャーナル
- 2020.11.30
- 『米国物流業界におけるシェアリング最新事情』
三菱商事株式会社の櫻井と申します。
ロンコジャーナルへの寄稿の機会を頂きありがとうございます。
今回は米国でのシェアリング事情と弊社にてご提供を開始した新しい寄託倉庫サービスについてご説明させて頂きます。
物流の需給バランス
物流の需給はシンプルな要素で構成されています。
需要サイドには「貨物」、供給サイドには物流サービスの「キャパシティ」があります。物流サービスには、価値の源泉であるアセットが必要で、リースなどの長期契約や投資によってトラックや倉庫を確保します。またサービスを提供する為には、アセットを使うためのリソースが必要で、人や燃料、資材、最近では電力などがあげられます。
しかし、物流は簡単ではありません。
複雑化している要素の一つが「波動」にあると言われています。例えば、貨物は季節や生産・販売計画によって波動があり、キャパシティは調達計画、人材市場、不動産市況などに影響を受けます。また波動には、週・月・季節毎などの短期的な波もあれば、数年単位の長期的な波も混在していて、荷主も物流事業者も需給のギャップ調整に頭を悩ませています。
米国で台頭するシェアリングモデル
この需給のギャップを調整するために、米国では物流のシェアリングモデルが2010年代中盤から台頭してきており、現在は成長期に入っています。
下の図では、物流の需要と供給をつなぐ、米国のシェアリングプレイヤーをマッピングしています。
例えば、フォワーディング業界ではE-Forwarderと呼ばれるFlexport社が有名で、フォワーディング業務を自動化し、需給調整を自動で行っています。トラック業界では、デジタル仲介を提供するシアトルのConvoy社、最近では船舶大手のMaersk社が2019年に出資したLoadsmart社が有名です。倉庫業界でも、シアトルFlexe社、ロスにあるFlowspace社と、物流の様々な領域でシェアリングモデルが台頭し、企業価値が1000億円を超える企業も現れ、シェアリング市場が急拡大しています。
シェアリング型の寄託倉庫サービスをスタート
実は日本には、約5500万㎡の営業倉庫、約1億㎡の自家倉庫と、巨大な倉庫スペースがあります。しかし最近は、通販拡大や消費者の購買行動が変化してきたことで貨物波動が拡大し、荷主は繁忙期の外部倉庫探しに苦慮しており、また物流会社は倉庫スペースの遊休化が大きな課題になりつつあります。
弊社三菱商事では、課題解決の一助として、倉庫シェアリング業界を牽引する米国Flexe社と資本業務提携し、倉庫の空きスペースをシェアする寄託倉庫サービスWareX
(ウェアエックス) を日本で展開しています。
WareX
はウェブ上で簡単に価格や場所毎に倉庫を一覧検索でき、ご希望の倉庫に寄託が可能か一括で確認することができます。
たとえば、
「大型連休のピークシーズン前に、バッファ倉庫を手配しておきたい」
「納入先の倉庫の門前に、一瞬だけ倉庫を立上げて、少しずつ納品したい」
「オフシーズンの商品を、地方の倉庫で長期保管したい」
など、はシェアされた空きスペースを使って、簡単に外部倉庫をご利用いただくことが可能です。物流会社も倉庫の空スペースを収益化することができます。
外部倉庫のご手配をご検討されている方や、倉庫の空スペースを収益化したい方向けに、無料のウェブセミナーを毎週開催しておりますので、是非ご参加ください。
サービスサイト:https://warex.ai/
無料ウェブセミナー:https://lp.warex.ai/ja-jp/warex-seminar
慣れない寄稿で、お伝えできていない部分も多いかと思いますが、ご一読頂き改めて御礼申し上げます。
ご興味ある方は、直接お話しさせて頂ければと思いますので、ご一報お待ちしております。
【三菱商事株式会社】
物流開発部
プロジェクトマネージャー
櫻井進悟
ml.warex.toiawase@mitsubishicorp.com